生活リズムを整える~40代におすすめの睡眠時間とその理由

休息の質を高めるために

40代の方々が今すぐやめるべき睡眠の悪習と、確保すべき睡眠時間の目安についてお話しします。

徹夜や夜更かしをすることがつらく感じられるようになった経験はありませんか?

それは、年齢とともに体力や回復力、そして睡眠力が低下していくからです。

20代や30代の頃は徹夜や夜更かしをしても問題がなかった方でも、歳を重ねるごとにその辛さを感じる方が増えています。

このような状況は、仕方のないことといえるでしょう。睡眠を削ることは本来よくありませんが、無理をしてしまうことが難しくなっていくのは避けられません。

また、体力や回復力だけでなく、睡眠力も低下する傾向があります。質の高い深い睡眠を確保することが難しくなり、成長ホルモンなどの分泌も減少してしまいます。

さらに、高齢になると早寝早起きの傾向が強くなり、遅くまで起きていることが難しくなります。その代わりに早起きが得意になることが多いようです。

睡眠不足は死亡率の増加につながると言われています。

さらに肥満や生活習慣病、がんのリスクとも関連しています。睡眠不足が長期間続くと、肥満や高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなります。

どうして睡眠不足が肥満と関係するのか不思議に感じるかもしれませんが、睡眠不足により空腹感が強くなり食べ過ぎてしまうことや、脳が危機的状況であると認識して脂肪を蓄えようとするためです。

さらに、睡眠不足により運動量が減少し、消費カロリーが減少してしまうことも肥満を引き起こす要因となります。

普通の人は睡眠中、血圧がわずかに低下しますが、朝になると活動の準備のために上昇していきます。

しかし、睡眠の質が悪いと、眠っている間に血圧が下がらず、起床後に血圧が上昇し、高血圧になる可能性があります。徹夜をした場合、血圧が約10mmHg上昇することもあります。

睡眠の質が悪いと、乳がん、前立腺がん、大腸がんなどが増える可能性があります。

メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンは、一部で性ホルモンと関連があります。そのため、睡眠が不規則だったり、時間が短かったりするとメラトニンの量や分泌のパターンが変化し、性ホルモンに関連する病気のリスクが高まると考えられています。

また、睡眠時間と死亡率にも関連があります。

日本の研究によると、4時間半未満の睡眠時間の人は、7時間の人と比べて、男性で1.62倍、女性で1.60倍も死亡率が高くなっていました。そのため、6~8時間の睡眠時間を確保することが重要です。

人生100年時代と言われる今、人生の目標を確立することが重要です。

目標を達成したいのであれば、十分な睡眠を確保することが大切です。特に年齢とともに睡眠力が低下するため、若い頃以上に生活習慣を見直し、よい睡眠を取るために努力する必要があります。

始めたい睡眠の質を改善するための取り組みとして、スマホを早めにオフすることから始めてみましょう。

スマホやPCを就寝前に使用すると、寝つきが悪くなり睡眠の質が低下する可能性があります。ですから、今夜からは就寝30分前以降は電子デバイスを使用しないようにしてみましょう。

その結果、より深い眠りを体験し、目覚めもすっきりすることでしょう。生活リズムや睡眠環境の整備は、少しずつ始めていくことが大切です。

個人の睡眠パターンには様々なタイプがあり、朝型と夜型の2つに分類されます。朝型の人は朝早く目が覚めて活動的で、夜にはすぐに眠りにつく傾向があります。

一方、夜型の人は朝が苦手で、昼や夜の活動が活発になり、寝る時間も遅くなる傾向があります。このような、早起きや夜更かしの傾向は、年齢や社会的状況によっても異なることが研究で明らかにされています。

典型的な朝活型の人々は、大学生で8%、20代社会人で15%、30代で18%、40代で33%、50代で54%になります。一方、強い夜型の人たちは、大学生で23%、20代社会人で5%、30代で5%、40代で4%です。50代の人たちでは夜型の人が0%となります。

年齢が上がるにつれて、夜型の人たちが減り、朝型の人たちが増える傾向があります。

大学生のうち約4人に1人が夜型の人であったのに対し、社会人になるとその割合が激減する理由は、社会的な制約や本人の意志によるものだと考えられます。

夜型から朝型への変化には、環境や本人の意欲が重要な要素となります。

朝型の人たちは、生活が通常と違いません。睡眠の量や質については、朝型と夜型の人たちでは大きな差はありません。

しかし、睡眠の特性を詳しく見ると、2つのタイプにはわずかな違いが見られます。朝型の人たちは、寝付きが良く、平日も週末も就寝時間と起床時間が一定です。

体温の変化もメリハリがあり、午後8時頃から急速に低下し、午前1時ごろに最低値になります。一方、夜型の人たちは、寝つきも覚醒も悪く、いつも眠れないと不満を感じています。

就寝時間や起床時間が2時間以上も前後することがあり、月に1度以上は徹夜することもよくあります。体温の変化もメリハリが少なく、朝型の人たちよりも1~2時間遅いパターンを示します。

朝型と夜型のどちらが有利かは、あなたが望む生活パターンによります。

日中活動的に過ごしたい場合は、朝型の人たちが適しています。朝すっきり目覚めることで、良いスタートが切れます。深く眠った後は、日中も覚醒度が高く、仕事が捗ります。体温もメリハリが利いており、日中は高めに保たれるため、エネルギーが満ち溢れます。

もちろん、朝型の人たちにも弱点は存在します。生活リズムが非常に規則的であるため、遅くまで起きてしまっても常に同じ時間に目が覚め、睡眠不足に陥りやすくなります。

9時から5時まで働く定時の仕事は問題ないけれど、日勤と夜勤が入り乱れるシフト勤務だと、効率が激減してしまいます。

夜型の人は元々生活リズムが乱れているので、不規則な勤務には適応しやすいです。自分がどんな生活を送りたいかによって、朝型か夜型が有利か決まります。

仕事や勉強をする最も活動的な時間帯に合わせることで効率がよくなります。自分の睡眠パターンと仕事の適性が合っているか考えることも重要です。

夜型から朝型に転換するためには、早起きから始めることが大切です。

寝る前の1~2時間は眠気が少ないので焦りを感じるかもしれませんが、早寝から始めるよりも効果的です。快眠のためのコツや理想的な寝室の作り方を参考にして生活環境を整えましょう。

光は体内時計をコントロールする力が強いので、朝に充分な光を浴びることが大切です。

ビタミンB12とメラトニンのサプリメントも効果的です。ビタミンB12は光の影響を受けやすくしてくれます。

メラトニンは自然な眠りを促すため、目標の就寝時刻の5時間前に摂取すると効果的です。これらの工夫と時間をかけて、夜型から朝型に転換することができます。

朝に活動する人 → 夜に生活する人になる際には、光を上手に利用することが大切です。

夜勤明けにサングラスをかけると、眠りやすくなります。

朝型の生活から夜型の生活に変えるためには、光の調節が重要です。朝の光を遮るためには、遮光性の高いカーテンに変えたり、早朝に強い光を避けるためにサングラスを使います。

また、寝る前に強い光を浴びると、睡眠サイクルや深部体温が乱れるため、専用の高照度光療法装置を使って2時間ほど行います。

夜遅くまで明るい場所に長くいることでも、夜型に移行しやすくなります。より本格的な方法を求める場合は、「睡眠制限療法」を試してみましょう。

これは、認知行動療法の一種で、不眠症の治療として有効です。時間はかかるかもしれませんが、効果は期待できます。朝型と夜型は変わることができるので、自分がどちらの生活スタイルに合っているか考えてみてください。

Q. 体にとって最も良い睡眠時間は何時間ですか?
睡眠不足も過剰な睡眠も健康に悪影響を与えることがありますが、適切な睡眠時間は何時間が最適なのでしょうか?健康な心身を維持するためには、適切な睡眠が欠かせません。睡眠時間を削ることは体によくありませんが、たくさん寝ることが良いというわけではありません。適切な睡眠時間の目安や考え方について、以下で説明しています。

Q. 睡眠不足は健康によくないと聞きますが、過剰な睡眠も良くないと言われます。一体何時間くらいの睡眠が体に最適なのでしょうか?
6.5〜7.4時間の睡眠が最低死亡率。睡眠時間だけでなく質も重要です。
日本の成人男女約10万人を対象に、10年間の睡眠時間と死亡率を調査した結果、最も低い死亡率を記録していたのは、睡眠時間が6.5〜7.4時間の人たちでした。これより短いまたは長い睡眠時間の人ほど、死亡率が高くなる傾向がありました。睡眠時間が重要なだけでなく、その質も重要であることを忘れないでください。」

厚生労働省は、最近の調査によると、一般的には6~8時間の睡眠が健康に良いとされています。

しかし、個人によっては短い睡眠でも長生きしている方もいます。年齢や環境、体調、精神的状態によって、必要な睡眠時間は異なります。

そのため、自分にとって適切な睡眠時間を見極めることが大切です。ただし、睡眠の質も重要であり、深い眠りに入るための工夫も必要です。

つまり、自分にとって最適な睡眠時間と質を見つけることが健康に良い睡眠を実現するポイントです。

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