不安や悩みで眠ることができない
新型コロナウイルスの流行や自粛生活など、私たちの生活環境が大きく変化したことにより、多くの人々が将来への不安を感じ、大きなストレスを抱えています。
このようにストレスを長期間溜め込んでしまうと、体調不良やうつ病などのメンタル疾患に陥る可能性があります。
20代の頃と比べると、私は仕事に対して納得感を持ちながら取り組むことができるようになりました。そして、自分自身を追い求めすぎることや20代の日々を振り返りすぎることも避けるようにしました。なぜなら、自然な人間性や生き方を大切にしないと、嘘をつくことが辛くなるからです。30代には、環境や立場だけでなく、身体や肌の変化も多く現れます。まずは、人生を楽しむことに重点を置き、ストレスのない生活を心がけることが、身体と肌にとっても良い結果をもたらすと信じています。自分を肯定しながら、些細な努力や心掛けが、人々や世界をも変えることができるのです。
そこで、ストレスフリーな生活を送るための方法を紹介します。
対処法のひとつとして、寝る前の2時間をリラックスして過ごすことが非常に重要だと言われています。
私たちの日中の活動では、交感神経が優位に働いていますが、夜間や睡眠に入るためには副交感神経が優位になることが必要です。そのためには、寝る前の2時間に特に気を使うべきだと言われています。
睡眠の効率を上げる方法は何でしょうか?
ふとんに入ってから考え事をしてしまって、なかなか寝付けないという悩みを抱えている人は多いかもしれません。
しかし、実際には寝ても覚醒もしていないこの時間は無駄です。この時間を短縮することで、睡眠効率は大幅に向上します。
たとえば、8時間ふとんにいながら実際の睡眠時間が6時間である場合よりも、ふとんにいる時間を6時間に減らし、睡眠時間も同じ6時間にする方が効率的です。
具体的な対策としては、以下のルーティンを参考にすることが良いでしょう。
- 1. 寝る90分前までに入浴を終える。
- 2. 家族やペットとコミュニケーションを楽しむ時間を取る。
- 3. 適度に水分を摂る(ただし、カフェインやアルコールは避けること)。
- 4. 食事を摂らない。
- 5. 軽い運動やストレッチ、ヨガなどを行う。
- 6. 非視覚的なエンターテイメントとして、音楽を聴いたり、アロマを楽しんだり、マッサージを受けたりする(ただし、ブルーライトは避けること)。
- 7. 日記を書いて、その日の楽しかったことを振り返る(ネガティブなことは書かない)。
以上のルーティンを実践してみることで、睡眠の質が格段に向上することを実感するでしょう。
もちろん、睡眠に悩んでいる人々の中には、不眠症で精神科に通院している方もいるでしょう。
しかし、私たちは睡眠薬に頼らずに良質な睡眠を手に入れる方法を見つけることができます。これらのルーティンを試してみて、自身の睡眠の質が向上することを実感してください。
また、スムーズに入眠するためのコツもあります。それは「スリープ・セレモニー」と呼ばれる、寝る前に必ず行う習慣です。
名前に「セレモニー」がついているために大げさに感じるかもしれませんが、実は「歯を磨く」「トイレに行く」「パジャマに着替える」といった行動もスリープ・セレモニーの一部なのです。
要は、寝る前に必ず行う習慣であれば何でもスリープ・セレモニーと言えます。この習慣を毎日同じように行うことで、脳は「この行動をしているからそろそろ眠る時間なんだ」という意識を持ち、自然に眠気が訪れるのです。
重要なのは、「何も考えずにできる作業」を挟むことです。例えば、「片付ける」「ストレッチする」「音楽を聴く」など、活動的な時間と休息時間である「睡眠」との間に、リラックスしてできる作業を挟むことが大切です。
私たちにとってのスリープ・セレモニーが軽い気持ちでも続けられるような、自然なものであることができれば、たとえ少し環境が変わったとしても、私たちはスムーズに入眠することができるでしょう。
もし睡眠薬をやめたいと思う場合、上記の指南に示されたように、睡眠に悪影響を与える生活習慣をすべて改善する必要があります。たった1つか2つの習慣を改善しても、あまり効果は期待できません。全ての生活習慣を改善することが重要です。
また、体内時計をリセットするために朝散歩をすることも必要です。生活習慣を徹底的に改善すれば、必ず睡眠障害は改善されるでしょう。本気で取り組んでください。
考えすぎて夜眠れない方におすすめしたい技術が「寝逃げ」です。
仕事や問題に行き詰まってしまったとき、ふとんの中でもその問題について考え込んでしまうことがありますが、実際には「もう寝ることにしよう」と現実から逃げた方が、解決策が浮かびやすいのです。
この「寝逃げ」という行為は、現実逃避ではなく、科学的に根拠のある立派な問題解決手段の一つなのです。睡眠だけで問題が解決するなんて、夢のような機能があるんですね。
なぜなら、人の脳はレム睡眠中に起きていた時間に蓄積した情報から必要なものだけを取り出し、再処理しているのです。
これはまるでパソコンの最適化のようなものです。特に大きな悩みがある場合、この最適化機能は一層強く働くのです。
古い記憶が整理され、新しい記憶と結びつくことで、新たなアイデアが浮かび上がるのです。これが「寝逃げ」の仕組みです。」
「寝逃げ」は、「追想法」とも「レミニセンス」とも呼ばれる手法で、寝ることによって新しいアイデアを生み出すと言われています。
有名な発明家であるエジソンや、1949年のノーベル物理学賞受賞者である湯川秀樹博士も、この手法を使って難しい問題を解決したとされています。
寝逃げを上手に活用するためには2つのポイントがあります。
ひとつ目のポイントは、「眠りに執着しない」ことです。寝逃げをしようとして「早く眠らなくては」と焦ってしまっては本末転倒です。むしろリラックスして眠りにつくことを心がけましょう。
もうひとつのポイントは、寝る前に「解決したいことをきちんと頭の中で整理する」ことです。情報を手帳やノートに書き出すのも効果的です。起きている間に情報を明確にすることによって、眠っている時の脳の最適化機能が高まるのです。
夜にのんびりと過ごすことには、実は脳を活性化するという利点があります。
脳科学者の茂木健一郎氏によれば、何もせずにリラックスしているとき、私たちの脳は「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる部位が活発に働くのだそうです。
このDMNは、私たちの経験や情報を整理する役割があります。
仕事や勉強、人との会話などで得た情報や体験を思い出し、それらを繋げることによって、忘れていたことを思い出したり、優れたアイデアを思いついたりすることができるのです。
常に何かに集中していると、時間を無駄にしているような気がするかもしれませんが、DMNは集中しているときには活発化しません。
一方で、夜にダラダラと過ごす際にスマートフォンやパソコンを見続けると、脳がますます疲れてしまいます。
精神科医の樺沢紫苑氏によれば、脳は90%のキャパシティを視覚情報の処理に使っているとのことです。そのため、スマートフォンやパソコン、テレビなどの視覚情報を取り入れる娯楽は、脳に負担をかけてしまうのです。
ソーシャルメディアを見たりゲームをしたりしながらダラダラするつもりでも、脳は全く休むことができず、むしろ疲れを蓄積してしまいます。
さらに、就寝前にスマートフォンの画面を見ることは、睡眠の質を低下させる恐れもあるのです。
スマートフォンから発せられるブルーライトを浴びると、眠気を引き起こすために睡眠の質を低下させるメラトニンというホルモンの分泌が抑制されることが理由です。
寝る前にスマホを使用することは、良質な睡眠を妨げ、次の日に悪い影響を及ぼす可能性がある行為です。
とはいうものの、寝る前は意識が高くなりメリットもあるのです
夜に意識を高めて過ごすことにはいくつかのメリットがあります。
例えば、効率的に記憶ができるという点です。
ここでいう「仕事や勉強」とは、マニュアルを覚えたり、英単語を学んだり、資格試験の勉強を含みます。
脳科学者である東京大学薬学部の池谷裕二教授によると、就寝前は非常に学習効率の良い時間帯であることが明らかになっています。
実験結果によれば、勉強後に直ちにテストを行った場合と、勉強後に睡眠をとり、翌朝にテストを行った場合を比較すると、後者の成績が優れていたとのことです。
睡眠には、脳に蓄積された知識を整理し、使える状態にする役割があると言われています。
したがって、眠ることで知識が増えるわけではありませんが、知識の質が向上するのです。睡眠と記憶は密接に関連していることが分かっています。
これらのことから、池谷氏は就寝前の1〜2時間を「記憶のゴールデンタイム」と呼んでいます。
暗記を伴う仕事や勉強を就寝前に行うことで、睡眠によってより良く記憶することができるのです。
前述の通り、脳は睡眠中に学習を行っていると言っても過言ではありません。
したがって、十分な睡眠をとれなくなれば、仕事や勉強に集中しても意味がありません。
一晩での猛勉強は効果的ではありません。また、夜は気が散りやすくなる傾向があるため、集中力を持続させることも難しくなります。
株式会社朝6時の代表取締役社長で朝活の第一人者である池田千恵氏は、夜の時間を無限に感じてしまい、作業が進まずについ他のことに取り組んでしまうことがあると述べています。
例えば、机に座っているつもりでも、実際にはスマートフォンを見て時間を無駄にすることもあります。そうすると、睡眠不足になり、有意義な仕事ができない最悪の状況に陥る可能性もあるのです。では、夜はどのように過ごすべきでしょうか?
ダラダラするべきでしょうか?
それとも意識高く過ごすべきでしょうか?
「どのような場合には夜はダラダラ過ごすべきか」、逆に「どのような場合には夜は意識高く過ごすべきか」をご提案します。
自分の状況に合わせて読んでみてください。
夜にダラダラ過ごすべき場合は次のような時です。
もし翌朝に創造力を発揮したいのならば、前日の夜はゆっくり過ごしましょう。
「数学の問題演習をしよう」「上司に提案する新しい企画案を考えよう」といったように、新しいことに挑戦したり創意工夫が必要な時は、前夜はリラックスして過ごすことが良いでしょう。
先ほどお伝えした通り、脳内では睡眠によって記憶が整理されるので、朝になると脳は前日の記憶がリセットされた状態になります。
茂木氏によれば、睡眠から目覚めたばかりのスッキリとした状態の朝には、脳が最も活性化されているため、学習や創造的な思考に最適であると言います。
特に、起きてから3時間は、脳が最も効率的に働く時間帯だそうです。
茂木氏は、このような朝の時間を有効に活用するためには、前の晩をリラックスして過ごし、ベッドに入ったら速やかに寝て、翌朝すっきりと目覚めることが重要であると述べています。
創造性を発揮したい日の前夜は、音楽を聴いたりゆっくりお風呂に入ったりしてリラックスしましょう。
ただし、スマートフォンやテレビを見ながらダラダラ過ごすことは避けましょう。特に夜には意識を高めた時間を過ごすべきです。
先述したように、仕事や勉強において覚えなければならないことがある場合は、夜に意識を高めた活動を行いましょう。
池谷氏によると、寝る前に勉強するなら、歴史や英単語などの記憶が必要な科目が適していると言います。
覚えたことをすぐに忘れないうちに睡眠に入ることが重要なポイントです。
また、仕事のマニュアルや研修で与えられた資料などを覚えられない場合も、毎晩就寝前に何度も読み返して頭に入れ、その後に寝ることを繰り返すことで徐々に覚えることができるはずです。
効率よく暗記したい場合や、覚えるべきことが全く覚えられずに困っている場合は、睡眠時間を削らずに夜の時間を意識的に活用してみることをおすすめします。
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